インターネットが普及した現代において、ビジネスの成功にデジタルマーケティング戦略が欠かせない時代になりました。
また、SNSの発展により、多くの企業・個人はSNSマーケティングに注力するようになりました。
その理由は、SNSは効果的な方法でブランドの露出を増やし、ターゲット層とのつながりを築く強力な手段の一つだからです。
しかしその一方で、SEO(検索エンジン最適化)もまた、オンラインでの成功において不可欠な要素です。
「SNSはやっているけど、SEOについてはなんだかよくわからない」
「SNSで十分だと思うし、SEOに力を入れる理由がよくわからない」
上記のような方も多いと思いますが、結論から言うとSNSと併せてSEO対策を実施するべきです。
この記事では、SEOの重要性を再評価し、なぜSNSマーケティングと組み合わせて実施するべきなのかについて詳しく説明します。
SEO対策にも注力すべきか考えている方は、是非参考にしてみてください。
目次から飛べるので、お好きなところからどうぞ!
SEO対策の重要性とメリット・デメリット
まず、SEO対策の重要性とメリット・デメリットについて説明します。基本的な知識となるため、なぜSNSマーケティングと組み合わせてSEO対策を実施するべきなのかを理解するためにも押さえておきましょう。
SEO対策の詳細については以下の記事で解説しています。そもそもSEO対策とは?という方はこちらの記事をご確認ください。
SEO対策の重要性
SEO対策が重要視されるようになった背景には、「検索エンジンの発展」と「コンテンツマーケティングの発展」の2つの要素が挙げられます。
検索エンジンの発展
Webが急速に拡大し情報量が爆発的に増加した結果、ユーザーが必要な情報を見つけるために頼りにしたものが検索エンジンでした。現代では検索エンジンは進化し、より高度で精度の高い検索結果を提供しています。
また、多くの企業やWebサイトはオンライン上での存在を示すために、特定のキーワードや業界での上位表示を競うようになりました。
さらに、スマートフォンの普及によりユーザーはどこでも検索できるようになり、検索の重要性は一層高まりました。
このような背景から、SEO対策の重要性は、検索エンジンの発展に深く関連していることがわかります。
コンテンツマーケティングの発展
コンテンツマーケティングとは、顧客に価値のある情報を届けることで見込み顧客を引き寄せ、最終的にはファン・優良顧客に育成するマーケティング手法です。
ユーザーがコンテンツに価値があると判断すると、Webサイトに滞在する時間が長くなる傾向があります。
検索エンジンのアルゴリズムではユーザー行動も考慮しているため、結果的にポジティブに評価され検索ランキング向上に繋がります。
また、高品質なコンテンツは他のWebサイトからリンクを貼ってもらえる(被リンク獲得)可能性も高くなります。
被リンクの質や量は検索ランキングにプラスの影響を与えることから、SEO効果も高くなると言えるでしょう。
加えて、特定のキーワードで検索された際にランキング上位に表示されやすくするため、特定のキーワードを戦略的に組み込むこともあります。
このように、コンテンツマーケティングの発展はSEOに多くの影響を与え、Webサイトの露出増加と検索ランキングの向上に貢献しています。
SEO対策のメリット
SEO対策には、以下の7つのメリットがあります。
それぞれ解説していきます。
集客コストの削減
SEO対策を適切に実施すると、検索からの流入が増加するため広告費用をかけずに多くのユーザーに見てもらうことができます。
さらに、持続的な効果や長期的な投資としての価値もあり、広告に比べてコスト効率が高いと言えます。
コンテンツの資産化
SEO対策により、高品質で価値あるコンテンツがWebサイトに蓄積され、検索エンジンやユーザーによって評価されます。
これにより、検索からの流入を持続的に獲得することができます。
また、ストックされた過去のコンテンツに対しても、質が高ければ他のWebサイトからのリンクやSNSで共有されることで、Webサイトの権威が向上します。
以上のようにコンテンツを貴重な資産として活用できることは、SEO対策のメリットと言えるでしょう。
長期的・安定的な集客
適切なSEO対策を実施すると、Webサイトは検索結果で上位に表示されます。
これにより、長期間に渡り安定的な流入が得られ、広告費用をかけずにユーザーに対し継続的にリーチできます。
安定的に集客できるため、ビジネスの安定性と成長に貢献し、競争優位性を高めることになります。
質の高いユーザーの獲得
Webサイトに適切なSEO対策を行っていれば、特定のキーワードで検索したユーザーが流入し、関連性の高いコンテンツを提供することができます。
するとユーザーはWebサイト内のサービスや商品に高い関心を持つ可能性が高いため、コンバージョン(購買などの重要なアクションを起こすこと)率が向上します。
つまりSEOは、質の高いユーザーを獲得し、ビジネスの成果を向上させる手段となり得ると言えるでしょう。
信頼度の向上
検索結果の上位に表示されれば、ユーザーはそのWebサイトを信頼しやすく、クリック率の向上にも繋がります。
以下は、日本における検索結果の順位とクリック率の関連を表したグラフです。
このグラフからもわかるように、検索結果が上位であればあるほどそのWebサイトの信頼性が高いと判断され、クリックされやすい傾向にあります。
ブランド認知度の向上
Webサイトが上位に表示されると、その分ユーザーの目に留まりアクセスされる機会が増加します。
その結果、ユーザーは頻繁に表示されるWebサイト・ブランドを記憶し、ブランド認知度の向上につながるでしょう。
競合他社との差別化
SEO対策を実施するにあたり、キーワード戦略やコンテンツの最適化をすることでその企業やサービス独自の価値を強調できます。
さらに、最適化されたコンテンツを発信し検索結果で上位に表示されることにより、競合他社と差別化することが可能となるでしょう。
SEO対策のデメリット
SEO対策を実施することには多くのメリットがありますが、デメリットと捉えられてしまう点もあります。
効果が出るまでに時間がかかる
SEO対策を実施しても、効果が表れるには3~6か月を必要とすると言われています。
ただし、適切なSEO対策を実施していれば効果は長期に渡り持続するので、戦略的な視点では価値のある取り組みです。
効果に即効性が必要であれば、広告マーケティングに注力することが望ましいでしょう。
急に検索順位が下がることがある
Googleの検索アルゴリズムは日々細かなアップデートを行っていますが、年に2~4回程度、大規模なアップデートがあります。
毎日のアップデートでは検索順位にほとんど影響を与えることはありませんが、大規模なアップデートはその内容に則した順位変動が起きるため、順位が大きく下がることもあり得ます。
しかし、適切なSEOを施し、日頃からユーザーにとって価値のあるコンテンツを投入するという本質からズレていなければ大きな問題はありません。
順位が下がった際には、原因を仮定し調整を加えることで対処できるでしょう。
SNSマーケティングの重要性とメリット・デメリット
次に、SNSマーケティングの重要性とメリット・デメリットについてお話します。
なんとなくやっているという方も多いかもしれません。ここで理解しておきましょう。
SNSマーケティングの重要性
SNSマーケティングの重要性には、「スマートフォンの普及」と「SNS検索の拡大」が深く関係しています。
スマートフォンの普及
SNSマーケティングは、スマートフォンの使い方が広まったことに関係しています。
上のグラフは、全国の15~79歳男女・スマホ・ケータイ所有者を対象とした各SNSの利用率を表しています。
グラフからもわかるように、モバイル端末ユーザーのほとんどがLINEを始めとするSNSを利用していることがわかります。
そのため、企業はSNS上で情報を発信したり広告を掲載することで露出を増やすことを考えました。
SNSを通じたマーケティングを展開することで、顧客とのコミュニケーションを取ることが重要なポイントとなったのです。
SNS検索の拡大
下のグラフは、情報収集や調べ物をするときに使用する情報源の変化を表したものです。
情報収集や調べ物をするときに、使用する情報源の変化(複数回答、年代別)
引用:野村総合研究所 | 生活者年末ネット調査(2022年2月発表)
このグラフからもわかるように、SNSを利用して情報を検索するユーザーが増加傾向にあります。
特に10・20代の若い世代はGoogleなどの検索エンジンによる情報収集は大きく減少していることから、SNSがスタンダードな情報収集になってきたとも言えるでしょう。
このような背景から、検索エンジンからの流入だけではなくSNSからの流入やブランドを知ってもらう機会を増やすことが重要であると考えることが主流となってきました。
SNSマーケティングのメリット
SNSマーケティングのメリットとして、以下の4つについて解説いたします。
ブランドの認知拡大
企業や個人が商品やサービスを売りたい場合、まずユーザーに認知をしてもらう必要があります。
SNSは誰でもアカウントを作り、リアルタイムで発信することができるので情報の伝達スピードが非常に速いことが特徴です。
SNSを通じてコンテンツを共有しブランド認知度を高めることで、新規顧客を獲得することができるでしょう。
ユーザーとのコミュニケーション増加
広告では一方通行のコミュニケーションですが、SNSでは双方向のコミュニケーションが可能です。
投稿のコメントを利用すれば、ユーザーからのコメントでリアルな意見が聞けたり、また返信することでより好意を持ってもらうこともできます。
またユーザーが投稿にタグ付けを行ったりメンションを行うことで、ユーザー側からのコミュニケーションも可能となり、顧客と良好な関係を保つことができるでしょう。
顧客ロイヤルティの向上
顧客ロイヤリティとは、顧客が特定の企業やブランドに抱く愛着のことです。
SNSという身近なツールを通じてユーザーとコミュニケーションを図ることで、ユーザーに愛着を持ってもらうことができます。
感情的な繋がりを保つために、企業やブランドはできるだけ長期に渡り発信を続けることが重要となります。
顧客エンゲージメントの向上
顧客エンゲージメントとは、顧客が企業やブランドを信頼し、積極的な関わりを持つことを意味します。
顧客エンゲージメントが高いユーザーは、サービスや商品を頻繁に利用したりその価値を拡散しようとする傾向があります。
SNSでは好意的な口コミの発信が期待できるので、潜在顧客への効果的なプロモーションになるでしょう。
SNSマーケティングのデメリット
一方で、SNSマーケティングのデメリットは以下の2点です。
運用の負担が大きい
SNSは手軽に始めることができますが、コンテンツの作成・画像や動画の作成、効果分析など日々の運用業務には負担があるためそれだけのリソースが必要となります。
また、コンテンツ自体に魅力がないとフォロワーを獲得しにくいため、運用開始前に綿密な戦略を練ることも重要です。
もし人手や時間を割くことができない場合は、代行業者に依頼することも考慮に入れましょう。
炎上リスクがある
SNSは拡散力が強みである半面、炎上に発展するリスクもあります。
ポジティブな情報だけではなくネガティブな情報まで瞬時に広がってしまうため、ブランドイメージが低下し、ファンや信用を失ってしまいます。
炎上を防止するためには、投稿前には「不適切な表現はないか」「誤った情報はないか」を複数人でチェックすると良いでしょう。
また、ネットリテラシーを高める教育を徹底させることも重要です。
SEO対策は重要!だけどSNSマーケティングに比べて軽視される理由
SNSマーケティングの重要性が増している一方、従来からあるSEOマーケティングが軽視されている場合もあります。
これには、以下の5つの理由が考えられます。
効果に即時性を求めている
SNSにおいては、リアルタイムなコミュニケーションが可能であるため、速やかに効果が求められる傾向があります。
一方でSEOは成果が出るまで数か月かかることが一般的です。
このような背景から、企業はしばしば即時的な成果に焦点を当て、SEOの重要性を低く評価することがあります。
しかしSEOは長期にわたり持続的な効果をもたらし、ブランドの信頼性を向上する重要なマーケティング手法であることに留意しましょう。
複雑性と専門知識
SEOには内部対策や外部対策など技術的・専門的であり、検索エンジンのアルゴリズムの変更に対応することも必要であるため複雑さを伴います。
その反面、SNSは比較的簡単に始められ、コンテンツの作成と投稿がメインです。
SEOはSNSに比べ、複雑で専門知識が必要であることが企業にとってハードルとなることも、SNSが優先される理由の1つと考えられるでしょう。
効果測定の難しさ
SEOの場合、成果が出るまでに通常数か月かかり、加えて結果は長期間にわたって現れます。
またSEOの成果は、検索エンジンのアルゴリズムの変更、競合他社の動向、コンテンツの品質など様々な要因に影響されます。
これらの理由から、投資対効果を正確に測定することが難しい場合があります。
一方でSNSの場合、成果は即座に現れ、分析ツールにより投稿別にエンゲージメント率やインプレッション等のデータを明確に確認できるため比較的効果測定しやすいと言えるでしょう。
新しい技術に魅力がある
SEOという古典的なアプローチよりも、新しい技術を利用するSNSのプラットフォームが注目を集め、魅力的に感じる人も多いでしょう。
新しい技術に着目することが、SEOに対する予算やリソースを削減する理由の1つだと考えられます。
競争が激化している
競合他社が同じキーワードで優れたコンテンツを提供しているため、特定のキーワードにおける検索結果の上位表示が難しくなっていることも、SNSマーケティングを優先させている理由の1つです。
特定のキーワードでの競合が多い場合は、複数の単語を組み合わせた複合キーワードに狙いを絞りましょう。
SEO対策も重要!SNSと併せて実施するべき3つの理由
SEO対策とSNSマーケティングにはそれぞれにメリットがあり、相補的な役割を果たします。
両方併せて実施することが望ましい理由について解説していきます。
得意・不得意分野の相互補完
キーワード戦略やコンテンツの最適化を含むSEO対策を実施することで、検索結果の上位に表示され信頼性が向上しますが、その成果を実感するには数か月と時間がかかります。
一方、SNSマーケティングはユーザーとのコミュニケーションが可能で、エンゲージメント(顧客が企業やブランドを信頼し、積極的な関わりを持つこと)の向上に優れています。
リアルタイムなコミュニケーションやコンテンツの拡散により、比較的スピーディにブランドの人気を高めることができます。
これらの要素は相互に補完し合います。SEO対策がWebサイトの基盤を強化する一方で、SNSはブランドの魅力を高め、ユーザーとのコミュニケーション機会を増加させます。
両者を組み合わせることで、インターネット上での露出を高めることができ、競合他社との差別化を図ることができるのです。
集客経路の多様性
SEO対策とSNSマーケティングを併用することで、Webサイトへの流入を異なる経路から獲得することができます。
そのため、検索アルゴリズムの変更や競合他社の影響に強くなり、リスク分散が可能になります。
また、SNSではユーザーとのコミュニケーションとブランド認知度を高め、SEOは検索結果の上位ランクインにより信頼性を向上することができ、結果的にブランド認知の向上に繋がるでしょう。
さらに、アクセス分析を行えばどの経路が最も効果的に集客できているかを特定し、予算とリソースを適切に分配することが可能となります。
ソーシャルシグナルの重要性
ソーシャルシグナルとは、SNS上でのフォローや「いいね」、リポストなどのユーザーが起こすアクションが該当し、ユーザーの興味関心を示す指標のことです。
ソーシャルシグナルはSEOに直接的な影響を与えるわけではありませんが、SNSでの人気度は間接的に検索結果に影響を与えていると考えられます。
SNSで情報発信を続け、企業名や商品、サービスを多くの人に認知してもらうことにより、SNS上のリンクからWebサイトへ流入が増加します。
その結果、外部サイトにリンクを貼ってもらったりSNSで共有されたりすることも増加し、信頼性が向上することでWebサイトが上位表示されやすくなるという好循環が生まれます。
このように、多くのソーシャルシグナルを獲得することで、ブランドの信頼性・集客力が向上するため、SEO対策とSNSは併用するべきであると考えられるでしょう。
SEO対策の重要性を理解しSNSと併せたデジタルマーケティング戦略を立てよう
この記事では、SNSマーケティングと併せてSEO対策も実施することがデジタルマーケティング戦略において重要であることを解説しました。
SEOとSNSの組み合わせにより、それぞれの得意・不得意分野が補完でき、集客経路を複数もつことで集客力の強化とリスク分散が可能になります。
また、SEOによる持続的で安定した集客と信頼性向上、SNSによるユーザーとのコミュニケーション強化と認知度向上を組み合わせれば、効果的にWeb上での地位を確立でき自ずと売上アップも見込めるでしょう。
この記事を読んでSEOの重要性を再認識していただき、あなたのビジネスに間接的にでも貢献できれば嬉しく思います。
SEO対策についてご相談したいという方は、お問い合わせページからお問い合わせください!